ビジネス現場から見た義務教育

日本の教育がいまいちなのは、

社会人としても生活者としても授業の内容が役に立ったと思えない、

ということにつきます。

思い出づくりのために学校に行ってます、

と言うのが現状しっくりくるのではないでしょうか。

 

これは戦後その教育の目的が

決められたルール通り働いてくれる人間を大量生産すること、

また当時重要だった技術者を多数養成することというニーズに応えて設計され、

それ以降の時代の変遷に合わせてアップデートされなかったからです。

なぜアップデートされなかったかというと、

前回の記事で書いた儒教社会主義の影響が大きいと思います。

 

また、経済界からどういう人間が育成され、社会に輩出されるべき、

というモデルのアップデートもまたできてなかったと思います。

現在のビジネスの状況から見ると、

日本のマーケットはすでにレッドオーシャンでかつ成熟・衰退市場になっているので、

海外で勝てるビジネスパーソンの養成というのが必須になってます。

その要件は

①英語

ロジカルシンキング

③相手国の文化・歴史を尊重してコミュニケーションできる

④自国の文化・歴史を語れる=リベラルアーツ(一般教養)

の4つが義務教育の内容として本来重要だと思いますが、

現在の教育カリキュラムと内容からはまだ需給のギャップがあると思います。

 

これらは経済界から学校教育に対してちゃんと要望を出せてこなかったことも

問題だと思います。

というか、これまでの学校教育が、安い給料で文句を言わず定年まで働いてくれる

従業員を大量に確保するのに都合が良かったので、

そんなことを言わないほうが良かった面も大きかったのではと思います。

高度経済成長期はそれで良かった、というかそれが良かったのですが、

それが終わった時に、これからどういう時代になるのか、

どういう人材が必要になるのか、しっかり考え、教育現場に反映させるよう

要請をしないといけなかったですが、そういうことが適切に行われませんでした。

 

渋沢栄一が作った財界や商工会議所は、

各会社の競争を促すことよりも協調して互いに便宜を図り合う、

いわゆる護送船団方式と呼ばれる路線をとってます。

日本に赤字の非常に多数の赤字の中小企業が多くあるゾンビ企業問題は、

この辺にも根源があると思います。

この業界団体は、とにかく出る杭は打つ、抜け駆けしようとするとよってたかって

バッシングする、という方向に行きますので、

新しいビジネスや、起業家が育ちにくい環境に日本があるということです。

和をもって尊しとなす、非常に日本らしいですが、

グローバル資本主義社会の中で、日本の国家発展を抜け目なくやっていこうとするなら、

これは逆効果もいいところです。

もちろん、高度経済成長までは良かったのですが、

ここも時代に合わせてアップデートしていく必要があったのが、

それが遅れているということですね。

大河ドラマ「青天を衝け」で近代資本主義の父として渋沢栄一

偉人としてその名声を再確認された形になりましたが、

私としてはその悪影響の方にこそ注目すべきでないかと思います。

 

その上で、本当は義務教育でこういうことを学ぶべきでないかは、

大人として個々人も考えるべき問題と思います。

なぜなら、教育現場はそうなってないので、そのギャップは

別の何かで埋める必要があるからです。

 

今回は教育に対する財界の弊害と、あるべき義務教育みたいな話をしました。

以上、今回もお読み頂き、ありがとうございました。